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鍼灸師のdoingとbeingを考える(続・糧となる感覚)

唐突ですが、8月の戸隠ワークショップをご一緒した洪蓉ちゃんとしんちゃんのある日のつぶやきを切り口に、
鍼灸師という仕事をdoing(すること、術、アプローチ)とbeing(在ること、存在感)に分けて考えてみたいと思います。
 
 
 
 
 
 
*以下了解頂いています
 
 
田嶋洪蓉さんFBウォールより
 
 引きこもりの青年、
隠し持っていた木刀を振り上げ
私をにらみつけて、今にも殴りかからんばかりの
形相でした。
 
どの位、時間が経ったかなぁ…
 
「なにしてるの? なにがしたいの?」
と問いかけると、彼はくずれ落ちて 
しゃがみこみ ました。
 
彼の思い通りに してあげない 私は、
彼にとって 邪魔者です。
 
PCに 引き続き、今日はゲームを頂戴しました。
 
「中途半端はいけません!
 しっかり 引きこもってください」
 
と言う私に、怒りを顕わにして、
活き活きと、リビングへ 走り出しました。
 
「部屋から出られない」と言っていたのに^^。
 
彼のプロセスを信じて、私はただ ついていくだけ…だなぁ。
 
大きな、一歩です! 今宵は、乾杯だなぁ^^。
 
 
 
 引きこもりの青年からすると、PCを取り上げられ、
ゲーム機を取り上げられ、それは、「田嶋のせい」で、
先週は、木刀振り回したけど、効果なしで、くやしいのでしょう。
 
青年の母親が言うには、この一週間
よくキッチンに降りてきて、自分で料理しよく食べ、
ダンベルなど買って、身体を鍛えまくってる!と。
 
「あの子、田嶋さんを やっつける為にやってるようで
 怖いんです…」…とお母さん。
 
目的はなんにせよ、よく食べ、よく鍛えることは良いことです^^。
 
昨日、私が一緒に居る間も、無言で、黙々と、鍛えてましたぁ〜!
私は、その横に ただ 共に居るだけ^^。
 
「もし、なにかあったとしても、お母さんに
 責任とれ!なんて言いませんから 安心してください」(笑)
 
と言ったら、
 
「どうして、そこまで できるのですか?」と泣いておられました。
 
「私の前に、現れた 子 だからです。 ただそれだけです。」
 
という私の答えは、変だったかなぁ?
 
それにしても、彼の命の躍動が うれしいです^^。

 
 
高落伸さんFBウォールより
 
言動や作法としては 同んなじように見えるdoingでも beingが違うと まったく違った結果になる
ハウツーっていうdoingでしか ものごとを考えられない人には このbeingの違いっていうところが まったく理解できないらしく
さらなるハウツーを探し求めて さまようことになる
 
 
 
 
一言もしゃべらないひきこもりの青年に関わる洪蓉ちゃんは、その時彼と基本一緒に「いる」だけらしい。
もちろんなんらかの「必要」が生じれば対応するのでしょうが。
 
しんちゃん流に言えば、例えばカウンセラーさんが通常使う「言葉」、鍼灸師が使う「鍼とお灸」というdoing(すること、アプローチ)を
洪蓉ちゃんはあまり使わずbeing(あり方)のみでほぼ対処しているということになるのでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
最近感じることは次の2点。
 
1つは、鍼灸の師匠石原克己先生、かみさんの師匠阿部秀雄先生はじめ今まで出会った敬愛する方々は皆さん「doing」の技術の凄さだけでなく、
「being」の部分にある種のゆるぎなさといいますか共通する「まなざし」があるのだなということ。
 
もう1つは、そのbeingを「体得していく」部分は、必ずしも、つかみどころなく途方もない話しではなく、具体的に近づく方法論を持っていて、
武術の技の口伝のように共有していくことは可能なのだな・・ということです。
 
 
 
前述のまなざしは・・・
 
山と気象の関係で例えてみると、目の前がどんなに嵐だったり厚い雲に覆われていて視界不良でも、その向こうにたしかにある「山」を決して見失わずにいてくれるような感じ。
雷雨、濃霧が何日続いてもやがて去り、美しい山が顕れるプロセスを信頼しているという感じでしょうか。
 
 
身体やこころの自然治癒力という「自然」を揺るぎなく信頼している。
 
 
 
 
ただ、鍼灸師は身体を扱う仕事なので、急性症状に対するスピード感のある対応から、慢性症状、最近増加傾向にあるうつなど精神疾患系の状態にじっくり対応する場合とで、
積極的介入からカールロジャーズ的寄り添いまで幅、柔軟性が必要になってくるかと思いますが。
 
 
医療や福祉、教育など特に対人援助職関係では、このbeingの部分がプロとして「結果、アウトプット」の部分にどうしても大きく反映されてしまうので、
もっとこういう部分、正面から語られてもいいのではないかなぁ〜と思う今日この頃です。
 
 
 
 
 
以前、ある方が、「鍼灸師で高みや深みを追い求めていく方々には大きく2種類の方向性があると。
ひとつは武術系。ひとつは心理系。(あるいは両方)」とおっしゃっていました。
 
 
このことは、ある意味技術、効果の底辺を支えるbeing(身体という器、意識という有り様)を違った側面から追求していくことなのかなと最近思ったりしています(^_^)
 
 
 
 
 

at 19:19, くさのね, きく・ある・つながる

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